私立大学医学部と国公立大学医学部の違いとは?学費や入試偏差値ベレルを徹底解説
・国公立医学部と私立医学部の学費格差
大学の医学部には国立医学部と私立医学部があり、国公立大学の医学部は私立大学の医学部と比べると遥かに学費が安いために受験生が殺到しています。
国公立大学では、文系も理系も医学部も学費はほぼ一律(50万円台)となっています。そのため、学費が非常に高額となる私立大学の医学部と比べると、費用の面でハードルが低くなっています。しかし、費用面で有利なため国公立大学の医学部には多くの受験生が挑戦し、入試の倍率が高い傾向にあります。
具体的には、国公立大学の学費は6年間で約350万円ですが、私立大学は一番安い国際医療福祉大学でも6年間で1910万円、一番高い川崎医科大学の場合は6年間で4700万円と国公立大学の医学部とは大きな差があります。
国公立大学の医学部を志望するのであれば、経済的な理由で医師になれないことはありません。奨学金制度や学費に関するローンを利用すれば、入学時に資金を用意しなくても入学することは可能です。一方で、私立大学の医学部は非常に高額な学費のために入学できない場合もあります。
・国立医学部の難易度
前述のように、国公立医学部は学費が私立に比べると安いため受験生が多く集まり、一般的な私立大学医学部に比べて偏差値が高い傾向にあります。国公立大学の医学部では、多くが偏差値70を超えています。これは、早稲田慶應の理系学部や東大京大の理系学部と遜色ないレベルです。なお、近年では私立医学部も偏差値65を超える場合がほとんどです。私立医学部が増設された当初は入試難易度の低い私立大学医学部も存在しましたが、近年は医学部の人気が上昇したため全ての私立大学医学部について入試難易度が上昇しています。
医学部に限らず国公立大学理系学部について一般的に当てはまりますが、理系科目である英数理に加えて文系科目である国社も勉強する必要があります。したがって、必要な勉強量、勉強時間が私立大学医学部に比べて非常に多くなります。
国公立大学は基本的に前期試験で一つ、後期試験で一つの大学しか受験できません。後期日程は非常に狭き門となっており、実質的には前期試験の一発勝負となります。また、大学入試センター試験の後継である「大学入学共通テスト」の重要性が高く、大学入学共通テストで失敗してしまうとその時点で合格の可能性がほとんどなくなります。
大学入学共通テストをクリアしても、次は個別学力試験でも相当な得点が必要です。大学入学共通テストと個別学力試験の両方をしっかり得点するように勉強量やペース配分をしなければいけない点が、国公立医学部で最も難しいところだと言えます。さらに、現在は大学入学共通テストに関する制度変更の混乱期にあたるので、特に国公立大学を受験する生徒は予備校経由で最新情報を入手する必要があります。
国公立大学医学部を目指す場合には、多数科目をバランス良く勉強できるカリキュラムを提供し、入試制度に関する最新情報をキャッチしている医学部専門予備校を選びましょう。
・私立医学部の難易度
私立医学部は国立医学部と比較すると問題の難易度が高め+問われる知識が細かい試験内容になっていますので、深堀りして英数理の勉強をする必要があります。
一般的な模擬試験などの出題傾向とは問題の傾向が大きく異なるため、模擬試験で良い結果を出していても安心できません。私立大学医学部入試問題の半数以上はマーク式かつスピード重視の形式です。そのため、短時間でいかにミスせずに解くことができるかが非常に大切です。
特に、英語は読むスピードが遅かったりすると時間が足りなくなり、合格ボーダーから差がついてしまうため重点的な対策が必須です。私立大学医学部を目指す場合には、各私立大学医学部の入試傾向について詳細な分析をし対策を立てている予備校を選びましょう。